最終更新: 2026-08-02
背中のトレーニングを始めようとしたとき、「何から手をつければいいかわからない」と感じる人は少なくありません。デッドリフト、ラットプルダウン、シーテッドロー——選択肢はたくさんありますが、バーベルローイングは「背中の筋量と厚みを同時に構築できる」複合種目として、パーソナルトレーナーの間で長年高く評価されています。
全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)の資格指導テキストでも、バーベルローイングは「背中の引く動作における基本的な多関節エクササイズ」として位置づけられており、アスリート指導から一般フィットネスまで幅広く採用されています。
それでも「腰が痛くなりそう」「フォームが難しくてなかなか続かない」という声は多く聞かれます。実は、バーベルローイングで怪我をするほとんどのケースは、フォームの基本が確立されていないことが原因です。重量を扱えることではなく、動作の質を高めることが最優先です。
この記事では、NSCAの資格を持つパーソナルトレーナーが現場で実際に指導している内容をもとに、バーベルローイングの正しいフォーム・種類の選び方・重量設定の基準まで体系的に解説します。まず種目の概要と鍛えられる筋肉を把握し、次にステップ別のフォーム解説、続いてバリエーション、最後に重量・頻度設定という順でお伝えします。
バーベルローイングとは|背中の「厚み」をつくる複合種目

バーベルローイング(英: Barbell Row / Bent-Over Barbell Row)は、バーベルを両手で持ち、股関節を曲げて体を前傾させた姿勢から、バーを腹部方向に引きつける種目です。
「ロウ(Row)」は漕ぐという意味で、ボートのオールを漕ぐ動作に似た動きからその名がついています。体の前面(胸・腹)を支持面として使うベンチ系種目とは異なり、重力に対して自分の体で姿勢を保ちながら引く動作が必要なため、体幹の安定性も同時に鍛えられます。
代表的な複合種目(コンパウンド種目)であり、一度の動作で複数の大きな筋群を動員する特性から、トレーニングの効率が高い点が特徴です。ベンチプレス・スクワット・デッドリフトと並んで、フリーウェイトトレーニングの基幹種目に位置づけられています。
一般的に「ラットプルダウン(懸垂系)は背中の幅に効く、バーベルローイングは背中の厚みに効く」と言われます。これは、ラットプルダウンが広背筋外縁部への刺激に優れているのに対して、バーベルローイングは僧帽筋中部・菱形筋など背中の中央部を厚く仕上げる作用が強いためです。「逆三角形の体」を目指す場合、両方を組み合わせることが理想ですが、どちらか一つ選ぶなら最初はバーベルローイングが有力な選択肢です。
バーベルローイングで鍛えられる筋肉

バーベルローイングが高く評価される理由の一つは、動員される筋肉の多さです。主働筋と補助筋を含めると、上半身の後面をほぼカバーします。
| 筋肉名 | 主な役割 | 効果のポイント |
|---|---|---|
| 広背筋(latissimus dorsi) | 肩の内転・伸展・内旋 | 背中の「幅」と逆三角形シルエットを形成する最大の筋 |
| 僧帽筋中部・下部(trapezius) | 肩甲骨の内転・下制 | バーを引き寄せる安定性と肩甲骨コントロールに寄与 |
| 菱形筋(rhomboids) | 肩甲骨の内転・挙上 | 姿勢の維持と肩甲骨の引き込み動作で強く関与 |
| 脊柱起立筋(erector spinae) | 体幹の伸展・安定 | 前傾姿勢の維持と腰部の安定に不可欠 |
| 上腕二頭筋(biceps brachii) | 肘の屈曲・前腕の回外 | 引く動作の補助筋として、二の腕も同時に鍛えられる |
| 後部三角筋(posterior deltoid) | 肩の伸展補助 | 肩の奥行きを形成し、肩まわりのバランス改善に貢献 |
広背筋は脊椎・骨盤・上腕骨をつなぐ人体最大の背筋の一つで、表面積が非常に広い筋肉です。この筋が十分に発達すると背中全体に厚みと幅が生まれ、正面から見たときの「くびれ感」にも大きく影響します。また、脊柱起立筋は「メインで鍛える」というより、前傾姿勢をキープするための「体幹の壁」として機能します。バーベルローイングを継続することで、姿勢の改善や腰部の安定性向上にも副次的な効果が期待できます。
バーベルローイングの事前準備とウォームアップ

本番セットに入る前のウォームアップは、パフォーマンスを高め怪我を防ぐうえで欠かせない工程です。多くのトレーニーが軽視しがちですが、現場の経験からもウォームアップの有無で動作の質が大きく変わります。
ダイナミックストレッチで体を温める
静的ストレッチ(ストレッチをキープするもの)はウォームアップには向かず、動的ストレッチ(体を動かしながら行うもの)が推奨されます。バーベルローイングに有効なダイナミックストレッチの例を以下に示します。
- ヒップヒンジ(15〜20回):股関節の折り曲げ動作そのものの練習。お尻を後ろに引いて前傾する動作を繰り返す。
- スキャプラプッシュアップ(10〜12回):肩甲骨の動きを引き出し、僧帽筋・菱形筋を目覚めさせる。
- バンドプルアパート(12〜15回):ゴムバンドを両手で持ち左右に引き離す動作で、後部三角筋と肩甲骨周囲筋を活性化する。
ウォームアップセットの設定
本番セットが60kgの場合、以下のような段階的ウォームアップが一般的です。
| セット | 重量 | 回数 | 目的 |
|---|---|---|---|
| ウォームアップ1 | バー(20kg)のみ | 10〜15回 | 動作パターンの確認 |
| ウォームアップ2 | 本番の40〜50%(24〜30kg) | 8〜10回 | 神経系の活性化 |
| ウォームアップ3 | 本番の60〜70%(36〜42kg) | 5〜6回 | 本番セットへの移行準備 |
| 本番セット1〜3 | 60kg | 8〜12回 | 筋肥大狙いの負荷 |
ウォームアップを正しく行うことで、最初の本番セットから高品質な刺激を筋肉に与えることができます。逆に省略すると、前半のセットがウォームアップ代わりになってしまい、全体のボリュームが下がる原因になります。
バーベルローイングの正しいフォームと手順【ステップ別解説】

フォームを正確に覚えることが、バーベルローイングで効果を最大化し怪我を防ぐ最短ルートです。以下のステップに沿って確認してください。
ステップ1:スタートポジションの設定
バーベルをラック(または床)にセットします。足幅は肩幅程度に開き、つま先はやや外向き(15〜30度)にします。バーはすねのすぐ前、またはすねに触れるくらいの位置に置きます。
手幅は肩幅よりやや広め(約1.2〜1.5倍)が基本です。オーバーグリップ(手のひらを下向きにする順手)から始めると広背筋への意識を持ちやすいと多くのコーチが推奨しています。
ステップ2:腰椎中立位の確保
股関節を後ろに引くようにしながらバーに近づき、体を前傾させます。体幹の傾斜角は床と約45〜60度が基本です。ここで最も重要なのが「腰椎中立位(ニュートラルスパイン)」の維持です。
腰を丸めた状態で重いバーを引くと、椎間板に大きなせん断力がかかり、腰部の怪我リスクが高まります。胸を張り、「お腹をへこませ、背中をまっすぐにする」意識を持つことで自然に中立位が取れます。視線は斜め2〜3m前方の床を見るくらいが適切です。
ステップ3:引き上げ動作(コンセントリック相)
息を吸い込んで腹圧(腹腔内圧)を高めてから体幹に力を入れ、肘を後方に引くようにバーを腹部(へそのやや上)に向けて引き上げます。
「バーを持ち上げる」より「肘を後ろに引く」という意識を持つと、広背筋・僧帽筋への刺激が高まります。動作の頂点でバーが腹部に近づいたとき、肩甲骨を内側に寄せる(肩甲骨リトラクション)動作を加えることで、菱形筋・僧帽筋中部への刺激が増します。頂点で1秒程度ポーズ(止める)と、より強い収縮感を得られます。
ステップ4:下ろす動作(エキセントリック相)
引き上げた位置から、コントロールしながら2〜3秒かけてバーを下ろします。エキセントリック(伸張性収縮)局面をゆっくり行うことが筋肥大の観点から重要です。バーをストンと落とすのではなく、筋肉が引っ張られる感覚を維持しながら丁寧に下ろします。
フォームチェックポイントを一覧にまとめます。
| チェックポイント | 正しい状態 | よくある間違い |
|---|---|---|
| 腰の形 | 腰椎中立位(自然なカーブを維持) | 腰が丸まる・過度に反る |
| 体幹の傾斜 | 床と45〜60度の前傾 | 直立に近い・水平になりすぎる |
| 肘の軌道 | 体幹に近い位置で後方に引く | 肘が外に大きく開く |
| バーの到達点 | 腹部(へそ上〜みぞおち付近) | 胸の方向に引く |
| 肩甲骨の動き | 頂点で内側に絞り込む | 最後まで肩甲骨を動かさない |
| 呼吸 | 引く直前に吸い込み、下ろしながら吐く | 息を止め続ける |
| テンポ | 引き上げ1〜2秒・下ろし2〜3秒 | 勢いをつけて振り上げる |
バーベルローイングの種類と選び方
バーベルローイングには複数のバリエーションがあり、目的・経験レベルによって使い分けることが効果を高めるポイントです。
オーバーグリップ(プロネーテッドグリップ)ロウ
最も一般的なスタイルで、手のひらを下向きに向けてバーを持ちます(順手)。広背筋全体と僧帽筋中部に均等にアプローチでき、初心者から上級者まで広く使われます。肘は体から約30〜45度外側に出る軌道になります。バーベルローイングを初めて行う方はこのバリエーションからスタートすることを推奨します。
アンダーグリップ(スピネーテッドグリップ)ロウ
手のひらを上向きにして持つ逆手スタイルです。肘が体に近い軌道を取るため、広背筋下部と上腕二頭筋への刺激が高くなる傾向があります。いわゆる「バーベルカールの動きに引き動作を加えた」ような感覚で、上腕二頭筋強化を並行して行いたい場合に有効です。
ペンドレイロー(床引きバーベルロウ)
毎回バーを床に置いてから引くスタイルで、体を水平に近い角度(床と平行〜45度)まで前傾させます。アメリカのウェイトリフティングコーチ、グレン・ペンドレイが普及させたことでこの名がついています。
体幹の安定が難しい分、「モメンタム(勢い)を使えない」構造になっているため、より純粋な背中への負荷が得られます。パワーリフターやオリンピックリフターのトレーニングプログラムでも採用されており、ストレングス向上を重視する中〜上級者向けです。
バリエーション比較表
| バリエーション | 主なターゲット筋 | 難易度 | おすすめ対象 |
|---|---|---|---|
| オーバーグリップロウ | 広背筋全体・僧帽筋 | 初〜中級 | バーベルロウを初めて行う方 |
| アンダーグリップロウ | 広背筋下部・上腕二頭筋 | 中級 | 腕と背中を同時に鍛えたい方 |
| ペンドレイロー | 広背筋・僧帽筋(高負荷) | 中〜上級 | ストレングス向上を重視する方 |
| ダンベルロウ(片手) | 広背筋・体幹バランス | 初〜中級 | 左右差を修正したい方・腰への負担を軽減したい方 |
パーソナルトレーナーが現場でよく見るフォームミスTop5
パーソナルトレーニングの現場では、バーベルローイングに関するフォームの修正依頼が頻繁にあります。以下は特によく見られる5つのミスです。
ミス1:腰が丸まる(腰椎フレクション)
最も多いのが腰を丸めた状態で引くケースです。腰が丸まると、引くたびに椎間板に反復的な圧縮・せん断力がかかり、長期的な腰椎ヘルニアリスクが高まります。改善策は、デッドリフトのセットアップと同様に「股関節から曲げる(ヒップヒンジ)」意識を持つことです。背中の丸みが自覚しにくい場合は、鏡や動画で客観的にフォームを確認することを推奨します。
ミス2:体重を使って引く(バウンシング)
勢いをつけてバーを振り上げる動作は、目標筋肉への有効刺激を大幅に減らします。特に重量が増えてくると起こりやすい傾向があります。解決策は、ターゲット重量を10〜15%下げてテンポコントロールを優先させること、または毎回バーを床に置くペンドレイローに切り替えることです。
ミス3:首が下がり、視線が落ちる
視線が下に落ちると頸椎が曲がり、それに連動して胸椎・腰椎の形も崩れやすくなります。視線は2〜3m前方の床を斜め下に見るくらいが自然な頸椎のアライメントを保てます。鏡が正面にある場合は自分の頸部を確認しながら行うと修正しやすいです。
ミス4:肘が外に大きく広がる
肘が大きく外に開くと、広背筋よりも三角筋(肩)への負担が増え、肩関節への不要なストレスもかかります。「肘を体幹のすぐ外側に沿わせて後ろに引く」意識を持つことで改善できます。体の外側からアドバイスしてもらうか、動画確認が効果的です。
ミス5:肩甲骨の動きを意識しない
引き動作の最後で肩甲骨を内側に絞り込む(リトラクション)動作を省略してしまうケースです。この動きを加えることで僧帽筋中部・菱形筋への刺激が大幅に増します。バーを最高点に持ってきたとき、1秒間肩甲骨を寄せて保持する習慣をつけましょう。意識しにくい場合は、一度軽い重量でゆっくりと「肩甲骨を寄せる感覚」だけを練習するセットを入れると効果的です。
バーベルローイングの重量・回数・頻度の設定
目的別のガイドライン(NSCA基準)
NSCAのストレングストレーニング・コンディショニングでは、目的に応じて以下のような設定が示されています。
| 目的 | 強度(1RMに対する%) | 回数 | セット数 | 休憩時間 |
|---|---|---|---|---|
| 筋力向上 | 85〜95% | 2〜6回 | 3〜5セット | 3〜5分 |
| 筋肥大(主目的) | 67〜85% | 6〜12回 | 3〜4セット | 60〜90秒 |
| 筋持久力 | 67%以下 | 15回以上 | 2〜3セット | 30〜60秒 |
筋肥大を目的とする場合、1セットあたり8〜12回がターゲットになります。最後の1〜2回がぎりぎり完遂できる重量を選ぶのが、筋肥大に有効な負荷設定の基本原則です。
初心者の重量設定の目安
バーベルローイングを初めて行う方の目安重量は、体重の約20〜30%(体重60kgなら12〜18kg程度)からスタートすることを推奨します。フォームの習得を最優先とし、すべての動作が安定したら5〜10%ずつ重量を増やしていきます。重量よりも「動作の質」を先に完成させることが長期的な成果への近道です。
| トレーニングレベル | 体重比の目安 | 具体例(体重60kgの場合) |
|---|---|---|
| 初心者(0〜6ヶ月) | 体重の20〜30% | 12〜18kg |
| 中級者(6ヶ月〜2年) | 体重の40〜60% | 24〜36kg |
| 上級者(2年以上) | 体重の70〜90%以上 | 42〜54kg以上 |
トレーニング頻度と他種目との組み合わせ
背中は全身の大きな筋群であり、トレーニング後の回復に48〜72時間程度かかります。週に同一筋群を2回程度刺激することが筋肥大において最も効果的とされており(Schoenfeld et al., 2017)、週2〜3回のトレーニングが一般的に推奨されています。
背中の日をデッドリフトとバーベルローイングで組み合わせる場合、デッドリフトを先に、バーベルローイングを後に配置するのが一般的です。デッドリフトの方が体幹安定の負荷が高く、疲労した状態でバーベルローイングのフォームを崩すリスクがあるためです。詳しい分割例は筋トレの最適な頻度と分割方法を参照してください。
また、バーベルローイングで使用する体幹の安定性は、体幹トレーニングの完全ガイドで紹介している種目で補強することで、フォームの安定が早まります。
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まとめ|バーベルローイングを習得して背中に厚みを
バーベルローイングは、広背筋・僧帽筋・菱形筋を中心に上半身後面の複数の筋群を効率よく鍛えられる、フリーウェイトトレーニングの基幹種目です。
- フォームの核心は「腰椎中立位の維持」と「肩甲骨のリトラクション」
- グリップとバリエーションを使い分けることで刺激の方向を変えられる
- 初心者は体重の20〜30%から始め、フォーム習得を最優先する
- 週2〜3回の頻度で背中のプログラムに組み込むのが効果的
バーベルローイングと相性の良いコンパウンド種目として、デッドリフトの正しいフォームと初心者ガイドやバーベルスクワット完全ガイドも合わせて確認してください。
筋トレ後の栄養補給については、筋トレ後の食事メニューと最適タイミングを参照することで、トレーニング効果をさらに高められます。
よくある質問(FAQ)
Q1. バーベルローイングは毎日やっても大丈夫ですか?
毎日行うことは推奨されません。広背筋・僧帽筋などの大きな筋群は回復に48〜72時間程度かかります。同じ筋群に対するトレーニングは週2〜3回が適切であり、毎日行うと回復が追いつかず、オーバートレーニングや怪我のリスクが高まります。
Q2. 腰が痛くなる場合はどうすればいいですか?
腰痛の最大の原因はフォームの崩れ(腰椎フレクション)です。まず重量を一旦下げて腰椎中立位のフォームを確認することが先決です。それでも痛みが続く場合は、フリーウェイトを使わない代替種目(シーテッドロー・ラットプルダウン)に切り替えて、医師や専門家に相談することを推奨します。
Q3. 女性がバーベルローイングをやると肩が張って大きくなりますか?
過度な筋肥大を心配する必要はありません。女性は男性と比べてテストステロンの分泌量が大幅に少ないため(約1/10〜1/20)、バーベルローイングで「急激にゴツくなる」ことはほぼ起こりません。むしろ、肩・背中まわりの筋肉がほどよく発達することで、ウエストが細く見える逆三角形のシルエットに近づく効果が期待できます。
Q4. バーベルローイングとダンベルローイングはどちらが効果的ですか?
どちらが優れているとは一概に言えませんが、それぞれに特性があります。バーベルローイングは両手で高重量を扱いやすく、全体的な背中の厚みに向いています。ダンベルローイング(片手)は左右の筋力差を個別に修正できるほか、可動域が広く独自の刺激が得られます。初心者はバーベルから始め、慣れてきたらダンベルを補助的に取り入れるのがおすすめです。
Q5. 握力が先に疲れてしまい、背中まで追い込めません。どうすればいいですか?
パワーグリップやリフティングストラップの活用を検討してください。これらはバーとグリップの間に巻いて摩擦を高め、握力のサポートをします。本来は背中が先に疲弊する状態がトレーニングの適切な姿です。補助器具を使いながら、並行して前腕・握力のトレーニング(ファーマーズキャリー、デッドハングなど)を行うことで、徐々に器具なしで完遂できるようになります。
Q6. バーベルローイングとチンニング(懸垂)はどちらを先に行うべきですか?
一般的には「高強度・大筋群の種目を先に行う」原則に従います。同じトレーニングセッション内で両方を行う場合、高重量を扱うバーベルローイングを体力が充実したセッション序盤に置き、仕上げとしてチンニングを行うパターンが多く採用されています。逆の順序も目的によって有効です。個人の体力と目的に合わせて柔軟に調整してください。
Q7. バーベルがなくジムにシーテッドローしかない場合、代替できますか?
完全な代替にはなりませんが、シーテッドローはバーベルローイングに近い引く動作を提供します。マシン系のシーテッドローは腰への負担が少なく、フォームを安定させやすいメリットがあります。バーベルローイングと同様に肩甲骨のリトラクションを意識して行えば、広背筋・僧帽筋へのアプローチは十分に期待できます。フリーウェイトエリアが利用できるジムを使えるなら、バーベルローイングを積極的に取り入れてください。
参考情報
- NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)「Essentials of Strength Training and Conditioning, 4th Edition」(Thomas R. Baechle, Roger W. Earle編, 2016)
- Schoenfeld, B. J., Ogborn, D., & Krieger, J. W. (2017). Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis. Journal of Sports Sciences, 35(11), 1073-1082.
- 厚生労働省「e-ヘルスネット」筋力トレーニングの基本原則(2023年更新版)
- 国立スポーツ科学センター(JISS)「トレーニング科学研究データベース」

